Description of the project 

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about memory


 交差点では留まるものもあれば、通り過ぎるものもあります。時には偶発的なハプニング(反応)が起こることもあります。
「CROSS(十字)」が意味するのは、事物を対比させるのではなく、交差させて、2本の線(道)を行き来しながら新しい視点を見出すことを意味します。よって、これらは対概念ではありません。対概念とは対称形を意味し、一つを提示すれば、もう一つの像が自ずと明らかになるもので、反応が起こりえないからです。
 例えば無作為にポイントし、(TIME×LIVE:過去と現在)といったような概念の交差を作っていくと、その延長線では、異なる概念との新しい十(交差)が生まれ、道が無数に張り巡らされていきます。この作業を続けていくと、俯瞰の視点から構成する青写真ができあがります。この設計図をもとに、写真という「記録」を媒介として、五感の印象による「記憶」を多様な手法を用いて描き加えていきます。この行為の連続によって、私の中の「記憶」も同時に再構成され、そのレイヤーは、また記憶のレイヤーとして蓄積されていきます。個々の独立したイメージを抽出して提示するだけではなく、複雑な記憶のパターンによってあたかも一枚の織り物を紡ぎ出していく終わりのないプロジェクトです。