黒い森
Black Forest
2012年2月14日(火)〜26日(日)
東神楽町メモリアルホール

東神楽町の図書館に併設されたホールでインスタレーションをしました。
訪れる人々は、本を読み、机に向かう静かで穏やかに過ごす空間です。
見上げると、既存の天井のドームとシャンデリアを黒く切り取るように、逆さまに配置された枯れ木のような廃材のプラスティックハンガーで構成された森が立ち上がっています。2階のキャットウォークから眺めると、環境光と人工の光が柔らかいコンストラストを生み、そこから落ちる影を意識させます。会場中央には、監視カメラが設置され、正面の壁に映し出されています。世界を俯瞰で捉える現代社会の視点ともいえます。そこには大空を舞う鳥と花が映し出されていますが、現実は重力に束縛され床に墜落していることが、鑑賞者が投影された時に意識されます。自然を拒否するカラスよけのバルーンと、プラスティックという人工の素材でありながら、それは緩やかに自然の内に回収されていくようです。鳥が巣として利用するというストーリーから発想したインスタレーションを通して、私たちに自然とは何なのか?を問いかけたいと考えています。


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