INSTALLATION 

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HATCH UP HACHAM PROJECT

ハチャムアートコンプレックスのプレオープンに合わせ、アトリエの入居予定アーティスト4名でHATCH UP HACHAM(ハッチアップ・ハチャム) PROJECTを立ち上げました。本プロジェクトは、活動のプロセスそのものをアート作品としてワークインプログレスのプロジェクトです。地域の人々をつなぎ、世代を超えた交流を生み、地域経済に働きかける場を作りたいと考えています。発寒の語源と言われる「ハチャム」とはアイヌ語で”ムクドリの集まる場所”を意味し、ハッチアップは孵化を意味します。場をムクドリにシンボライズし、誕生から自らの手で育て、長期的なスタンスで守り続けていきたいという思いを込めて名付けました。
 建物は30年前に市場として設けられ、様々な改修・補修を経て現在に至っています。展示は将来的にアトリエとなるスペースで行います。都市で生活する鳥は、自然素材のみではなく、ビニールやプラスティックなどあらゆるものを集めて巣を作ります。これは時間と空間を無作為に抽出したカオティックなオブジェであり、生きるものをゆるやかに包み、守ります。
この巣をモチーフにして、自然との境界として機能する建築の相似形として表現しています。様々な人工物にあふれる現代社会において、「人間の生活を支えるものは何か?」「自然とどのようなコミュニケーションをとるべきか?」という根本的な視点に立ち戻り、インスタレーション作品を展開します。
 解体作業を通して発生した廃棄物をあらたに再構成していきます。壁を補強していた木材はムクドリの巣となり、卵を守り育てるように、壁から取り外した金属板を切り抜いて制作した成鳥が周囲を浮遊しています。そしてこの巣は、木漏れ日のような、暖炉のようなあたたかい光を放つ照明として機能します。アトリエになる空間のシンボル的な存在として、空間と共鳴し、変化していきます。

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空間の中央に廃材を使用した「Starling Nest ムクドリの巣」を配置している。

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元魚市場であったことから、水から壁を守る板金から22羽のムクドリを切り出して梁から吊るした。

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様々な太さの廃材でできた巣に設置された光は、木漏れ日のようなランダムな陰影を作り出す。

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西面のファサード正面から内部を見る。ウォークスルーが建物を貫き道路が見える個性的な空間。

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生演奏のコンサートが行われたオープンスペースに、科学と自然をテーマにした平面と椅子にペインティングした作品を展示した。

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夜の発寒商店街の様子

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