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「水〜4人の聖人が今日の日本を語る」展
Four apostels are chatting about Japan nowadays.
ウォールペインティングアクリルグワッシュ、ミラー
EX Basement Gallery
2009.2
 
主題の「水」は、メディアを象徴的に表現している。ドイツの画家アルブレヒト・デューラーの描いた「Die Zwei Apostel」は、各々の聖人がヒポクラテスの体液説に基づいて性格づけされている。その意味は、人間は内なる水と言うべき4種類の体液によって満たされ、その比率によって性向が決まるとされていた。陰陽五行説などのアジア的なカテゴライズ、俗説ともいえる現代の血液型判断と興味深い共通点を持っている。作品の中で、彼らは、現代の投資家に置き換えられ、聖書もLAN通信デバイスを手にするアナリストにすり替わっている。彼らが大真面目な表情で語るのは、現代日本の経済状況であり、相対的で実体のない数字である。コメントは実体がない水のようにめまぐるしく変化し、 最後に取り残された私は、発言する事もなく(口を塞がれた状態で)傍観し、「旅に出たいと」思いつく。作品は、私という作家個人が社会と関係するための手段であり、また、経済と宗教、紀元前と今日、世論とつぶやき、日本とアメリカを一つの空間に同居させる媒体となる。絵画的なフレームを廃し、壁面にアクリル絵の具を使用して、短時間で描く手法は、メディアが氾濫する現代の状況を示唆している。

  

 

  

 


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