「Irreversible」
奔別アートプロジェクト参加作品

日時:2012年9月22日(土)〜10月28日(日)土日祭日のみ13日間開催
公開時間 10:00~17:00(入場は16:30まで)
観覧無料
会場:旧住友奔別炭鉱・選炭施設内石炭積み出しホッパー

その他イベントなどもあります。詳細PDFファイルをご覧下さい。
>PDFファイルをダウンロード




9月から10月にかけて奔別アートプロジェクトに参加します。北海道には炭鉱の遺産が数多く残されています。今回は、旧奔別炭鉱敷地内の国内最大級のホッパー(選炭施設)内でインスタレーションを展示します。このような産業遺産を展示場所にするとき、まず意識するのは「サイト・スペシフィック」です。「特別な場所」と訳されるその意味は、ニュートラルな美術館やギャラリーではない場所の持つ文脈を咀嚼し制作するということです。
自然という圧倒的に強く、美しい存在に対し、個の強さで立ち向かうようなしかたで作品を設置する不毛さがあり、一方で場の特殊性に依存しているのではないかという疑いが強くあります。
 では、そこで何を問いかけるべきなのか?
 それは、おそらく人間という存在の小ささ、あるいは、はかなさにあるのではないかと思います。
 ロングは山道に分け入ってささやかな痕跡を残し、スミッソンは作品の風化や浸食など時間の経過をドキュメンテーションを通して伝えています。そこには時代が移り変わっても、いまだ色あせない重要なメッセージが含まれていると思うのです。
 現代の都市生活では忘れがちなこと、万物は不可逆で代替不可能な存在だということです。私たちは自然を取り戻すということをよく口にします。けれども、それは象徴としての、人間にとって都合の良い自然、いうなれば人工の、あるいは模倣の自然です。そこは「私たち人間が」という主語を許さない、どこでもあるようで、どこでもない場所なのです。
「Irreversible」は、会場となるホッパー内で収集した廃棄物を真っ白に塗りつぶし、人工物群による機能しない生態系のようなものを出現させ、自然環境下での浸食を通して、さび、しみ、剥落など、人工物の脆さ、不可逆性を強調する形で構成しています。
 私たちは、自然の中でしか生きられないことは確かですが、ぴかぴかに磨き上げ、気まぐれに真っ白に覆い隠します。けれども、そのすきまから木々は育ち、虫たちが集まり、柔らかく包み込こんでいきます。

会場map

より大きな地図で 奔別アートプロジェクトメイン会場 を表示

主 催
主催:NPO法人 炭鉱の記憶推進事業団

協 賛
協賛:公益法人 太陽北海道地域づくり財団
財団法人文化・芸術による福武地域振興財団
北海道地域連動アートプロジェクト
北海道地域連動アートプロジェクト実行委員会


TOPへ戻る>